副社長執行役員 高山 雄史
私たちが創業当時より重視してきたのは、「人々のお困りごとを事業で解決する」ことです。代表の田中は
ナッシュの前にインターネットでの葬儀会社を創業しており、私も田中と共に事業に携わっていました。
そこで人の「死」に向き合い、生活習慣病を発端に体調を崩し始めた方が少なくない事実に直面したことか
ら、「この社会課題に誰も取り組んでいないのであれば、私たちがやる意義があるのでは」と強く感じるよ
うになりました。
現代社会における生活習慣病に起因する死は年々増えており、健康を維持することは多くの人々の課題に
なっています。生活習慣病の最も大きな原因は食事です。この社会課題を解決するために、生活習慣病に
配慮した食事の提供を事業の軸としたナッシュを創業しました。
──創業時からナッシュが事業の成長を続けている要因は何だと思いますか。
提供する食事が美味しいことは大前提として、食習慣そのものを変えるにはさまざまな工夫が必要です。例え
ば、準備が楽であること、長く食べても飽きないこと、継続して買える価格設定であることなど、お客様が食
べ続けたいと思えるサービスにするためには、いくつもの条件があります。手軽な冷凍宅配弁当という形を選
んだこと、豊富なメニューを展開したことも、人々の食習慣を変えるために必要な条件だと考えてのことでし
た。
また、商品を小売店に卸すと中間手数料が発生するため、低価格でサービスを提供する手段としてWeb販売を
選択しました。自社工場を保有し、すべて内製で商品を開発できる体制を整えたことも、事業成長の要因だと
思います。私たちはこの事業を「社会課題解決のための手段」と捉え、その内容、戦略、手法はすべて、人々
のお困りごとを解決するために最適なものかという視点で選んでいます。その積み重ねの結果が、事業成長に
つながったのだと感じます。
──今後さらに事業成長を加速させるために、どのような戦略を描いていますか。
noshの強みの一つとしてメニューの豊富さがありますが、これから現在の60種から100種へ、さらにメニュー
を増やすことを予定しています。豊富で新しいメニューから商品を選べる楽しさは、大きな差別化のポイン
トになると考えています。
それらの豊富なメニューすべてにおいて、健康維持のために独自の栄養価基準を満たしていることも、加え
てお伝えしたいです。一般的に健康志向の食事は味付けが淡泊であったり、食材が限られたりする印象があ
ると思います。しかし私個人としては、健康維持のために食事の満足を損なうこと、食事制限することは
本質的な解決策ではないと思っています。美味しいものを食べながら健康を維持すること目指していきます。